前回の予告通り、制作手順の「3.」以降の詳細を書いていこうと思います。
制作手順
1.プラモデルの作成
2.背景で動かすもののデータと仕組み、プラモデルから出るジェット噴射などのエフェクトデータを作成
3.映像合成実験(UE4の背景をリアリティエンジンで実写と合成)←今回はここから下の部分の詳細です
4.問題点の洗い出し
(各背景データのスケールのズレ、ループで動いているものの見栄えが崩れるなど)
5.背景データ、動かすもののデータの調整作業
6.手順3.から手順5.を繰り返してクオリティを高める
7.最終的に編集して音声と合成
3.映像合成実験(UE4の背景をリアリティエンジンで実写と合成)
映像合成実験では、前回の実験同様、制作手順 1.と2.の内容を組み合わせて映像合成する実験を行い、
背景の合成上で実際するプラモデルとCG背景と、目標とするボックスアートとの乖離を調査し、
絵的な問題点(制作手順 4.)を洗い出す目的で行いました。
今回は、動かすもの、エフェクトをある程度作り込んでからプラモデルと合成したのですが、
ここで、予想以上にプラモデルとボックスアートとのポーズの差ができてしまっていたので、
プラモデルがボックスアートのポーズになるように合わせる作業も追加で行いました。
下の動画はその当時の様子を早送りでお見せしています。
4.問題点の洗い出し
手順3.で 実際に合成した際には以下のような問題点が浮かび上がりました。
・プラモデルと背景のスケール感が合っていない場所がある
・動くものの速度が早すぎたり遅すぎたりしているものや、フレームから外れたら最初からループして
再度登場するはずが、出現しないなどの不具合
・カメラを動かすと、プラモデルと背景の連動にずれが生じる
5.背景データ、動かすもののデータの調整作業
問題点1. プラモデルと背景のスケール感が合っていない場所がある
<問題点1. の解決案>
元々、実写側のプラモデルと背景側のスケールが違うものの合成のため、基準となる地面の高さを
合わせるのが難しかったため、CG背景にボックスアートをおいて、その絵に実写のプラモデルが
合わさるように調整することで修正。
問題点2. 動くものの速度が早すぎたり遅すぎたりしているものや、移動して画面フレームから外れたら、
最初の位置からループして再度登場する設定のはずが、出現しないなどの不具合
<問題点2. の解決案>
スケール合わせの基準の為においたボックスアートの絵の各所と配置したモデルのスケールが合うように
各配置物のスケールと配置座標を修正する。
問題点3. カメラを動かすと、プラモデルと背景の連動にずれが生じる
<問題点3. の解決案>
元々のスケール(プラモデルと背景においてあるもののスケール)が合っていない状態で合成を行っている
為、カメラでパンやチルトを行うとプラモデルと背景及びエフェクトの位置がズレるのは必然となってしま
っているので、今回はズレの影響が少ない範囲で撮影を行う方針に軌道を修正。
6.3から5を繰り返してクオリティを高める
手順5.で各モデルや動きの修正を行ったあと、再度、映像合成実験(手順3.)を行い、修正箇所の確認、新たな
問題の発見、問題解決を繰り返して、制作期間内でできる範囲でクオリティーを高めていきました。
7.最終的に編集して音声と合成
これまで紹介してきた、制作手順を経て今回の「模型などの縮小されたスケールの造形物に対して、リアルな
スケールの背景を組み合わせた画作りをしてみようという試み」の映像実験が行われました。
最終的に作成された映像は、
第3回映像実験「GunPura Virtual Diorama その1」の記事にあるとおりになります。
最後になりましたが、今後も、このような映像実験を行っていきますので興味のある方は、
弊社のyoutubeチャンネル共々ご贔屓にしていただけたらと思います。
次回更新時は、今回作ったデータの作り方などを紹介できたらと思っています。