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「GunPura Virtual Diorama その4」小惑星と破壊された工場の跡の作り方(前編)

前回の予告通り、制作手順の「2.」で作成されたものの一つ、「小惑星+破壊された工場の跡」の

詳細について書いていこうと思います。

制作手順

1. 人工建造物(施設)と小惑星のモデルを用意

2. 小惑星と施設を組み合わせて、破壊感を出すために施設をパーツごとに散らばせる

3. スタティックメッシュを4種類に分割・選択してマージ

4. 小惑星と人工建造物の残骸を無重力らしく空中に漂わせる 

1. 人工建造物(施設)と小惑星のモデルを用意

小惑星は「岩」の3Dモデルを使って拡大して対応することに。

そして人工建築物(施設)は、Polar Sci-Fi Facilityで使用されている施設を使用しました。

この施設はパーツごとにオブジェクトが分かれているので、簡単に分解することができる

だろうとの判断からです。

 


2. 小惑星と施設を組み合わせて、破壊感を出すために施設をパーツごとに散らばせる

2.1 小惑星と施設を配置する

小惑星に施設が建てられているような状態にするため、岩モデルにスケールをかけて巨大化させ、

それっぽくくなるように、建物を配置して位置を調整します。

 2.2 施設をパーツごとに散らばせる

攻撃や隕石の衝突などで施設の一部が破壊されたようなイメージになるように、建物の構成パーツの

一部を散らばせます。宇宙空間にある建物なので、自然な感じに散らばるまで移動や回転を行います。

最終的には次の画像のようになりました。

3. スタティックメッシュを4種類に分割・選択してマージ

宇宙空間を漂う建築物の残の動きが統一されていないように見せるため、それぞれの集まりで

動かしていきたいため、4種類のスタティックメッシュにしていきます。

①小惑星と破壊されていない部分の施設

②破壊された建物残骸郡 A


③破壊された建物残骸郡 B

④破壊された建物残骸郡 C


4. 小惑星と人工建造物の残骸を無重力らしく空中に漂わせる

ブループリントを使用して、小惑星や残骸を無重力らしく移動させます。

今回使用したのは、破壊された建物残骸郡がそれぞれ、ゆっくりと小惑星から離れていく為のブループリント、

小惑星自体がゆっくりと回転する為のブループリントとなります。 

 

4.1 破壊された建物残骸郡がそれぞれ、ゆっくりと小惑星から離れていく為のブループリントを作成

4.1.1 ブループリントクラス>「Actor」を選択して「BP_Move」と名付けてSAVEします。

4.1.2 マイブループリント>関数の欄で「+」を押して関数を作成し「Move Tick」と名付けます。

4.1.3 関数「Move Tick」をダブルクリックして、関数編集用のグラフに移動します。

    関数「Move Tick」の実行ピンからワイヤーを伸ばし「AddReativeLocation(DefaultSceneRoot)」ノード

    を配置します。

4.1.4 各残骸はそれぞれバラバラな方向に移動させていきたいので、移動値を制御する為の変数「X Move」、

    「Y Move」、「Z Move」を作成して、各々の値を「Flot」にしておき、シーンレベル上で編集できるよう

    「インスタンス編集可能」のボタンにチェックを入れておきます。

   マイブループリント>変数の枠から、「X Move」、「Y Move」、「Z Move」を編集グラフ上に移動させて

   マウスボタンを離した後「Set(変数名)」を選択して設置していきます。

 

4.1.5 「AddReativeLocation」を配置した時点では、「Delta Location」ピンがひとまとまりになっているので、

    「Make Vector」を使って、各変数の値に分解するか、「Delta Location」ピンの上にマウスカーソルを

    合わせて右クリックして「構造体ピンを分割」を選択して「Delta Location」ピンを「Delta Location X」、

    「Delta Location Y」「Delta Location Z」のピンに分割します。

    (今回は「構造体ピンを分割」を使用しています)

 

4.1.6 分割した「Delta Location X」、「Delta Location Y」「Delta Location Z」のピンに変数「X Move」、

    「Y Move」、「Z Move」のそれぞれを接続します。

4.1.7 イベントグラフのタブに切り替えて、「イベントBeginPlay」ノードの実行ピンからワイヤーを伸ばし、

    右クリックで「SewTimerByFunction Name」を設置します。

4.1.8 「Function Name」項目で先程作った「Move Tick」を指定し、Loopingに「✓」を入れます。

破壊された建物残骸郡がそれぞれ、ゆっくりと小惑星から離れていく為のブループリント「BP_Move」が完成したのでSAVEして、実際に残骸の動きを調整していきます。

 

4.2 残骸の移動

破壊された建物残骸郡 A~C(「SM_Debris01~03」と命名しました)を配置して、それぞれに動きをつけいていきます。

 

4.2.1 ブループリント「BP_Move」を、建物残骸郡 A~Cを配置したいレベルにA~Cの数と同数分だけ配置します。

    次に建物残骸郡 A~C(メッシュ)を配置して、DefaultSceneRootの直下に建物残骸郡 A~Cのそれぞれが

    対応するように親子関係にしていきます。

  (画像ではブループリントが「Moving_BP」となっていますが、中身は「BP_Move」同じものです)

4.2.2 設置した各ブループリント「BP_Move」を選択した状態で、編集の可能にしておいた変数「X Move」、

    「Y Move」、「Z Move」のそれぞれの設定を行っていきます。

    今回は、下図のような感じで調整しました。


上記の調整の結果、宇宙空間をゆっくりと移動する建物残骸の動きは次のようになりました。

なかなかうまく行ったのではないでしょうか?

ここまで、小惑星上の建造物が破壊されて宇宙空間を漂っている状態のものを作ってきました。

次回は、小惑星自体を動かしていく方法の詳細を書いていこうかと思います。

 

次回更新時は、今回作ったデータの作り方などを紹介できたらと思っています。