DREAM THREAD ではAIを使ったゲーム開発の手法を研究し、広く伝えていこうと考えている。

この連載では、Godot というゲームエンジンと AI を使って、1画面で完結する小さなアクションゲームを全6回で完成させる。

読者には、次のようなまったくの未経験者を想定している。ゲーム制作の知識は何もいらない。

  • AIはチャットでしか使ったことがない
  • ゲーム制作に興味はあるが経験がない

どちらも、私が始めたときの状態そのままだ。今回は前置きで、コードもプロンプト(AIへの質問や指示)もまだ出てこない。まずは肩の力を抜いて読んでほしい。

使ったもの

項目 値
Godot 4.7.2
質問AI Gemini
検証日 2026-09-16

AIにできること、できないこと

最初に断っておくと、AIに一行お願いしたらゲームが出てくる、ということはない。

AIが役に立つ場面は、大きく分けて3つある。企画(何を作るか決める)、コード(実装を書く)、アセット(絵と音を用意する)だ。この連載も、第2回で企画、第3回でコード、第4回と第5回でアセット(効果音と絵)を扱い、第6回でブラウザで遊べるように公開する。

ただし、3つのどれでも「決める」ところは人間に残る。AIは選択肢を並べるのが得意で、どれがいいか薦めてもくれる。それでも、人間が何を作りたいかまでは知らない。

もう一つ断っておくと、AIの出力は毎回変わる。 この連載に載せたプロンプトをそのまま投げても、同じ返答は返ってこない。だから各回では、返ってきたものをどう直したか、どこで詰まったかを必ず書くことにした。出力そのものより、そちらのほうが長く使える知識になるからだ。

何でもAIに聞く

ゲーム制作でのAI活用のコツは、何でもAIに聞いてみることだ。

知らない言葉はその場で聞く。 今後山のように知らない単語に出会うだろう。例えば「ノード」「シーン」「スプライト」。質問AIを用意して、その場で投げてみよう。自分で調べて回るより、ずっと早く答えにたどり着ける。これはAIを使う大きなメリットだ。

通じなければ言い方を変える。 一度で伝わらないときは、たいていこちらの説明が足りていない。「さっきの言い方では通じなかったので言い換える」と前置きして投げ直せばいい。同じ質問を繰り返したっていいのだ。AIは何度聞き返されても苛立つことはないし、そんなことも知らないのかと見下してくることもない。

画面はスクリーンショットで見せる。 「Godotのどこを押せばいいか分からない」は文章にしにくい。画面を貼って「ここから何をすればいい?」と聞くほうが早い。エラーが出たときも同じだ。

AIは2つ使い分ける

この連載でゲーム制作に使うAIは Claude Code だが、もう一つ調べ物をするための質問AIを決めてほしい。すでに ChatGPT を使っているならそれでいい。Gemini でも Copilot でもいい。課金は必要ないし、1つに限定する必要もない。私は、質問AIとして Gemini を使った。

役割 使うもの 費用
手を動かすAI コードを書かせる。この連載では Claude Code 有料プラン
質問AI 用語や概念を聞く。チャットのAIで十分 無料で足りる

2つに分けるのは、作業中の会話に関係のない話を混ぜないためだ。実装を進めている最中に「ところでノードって何?」を混ぜると、ゲームに入れたい要素の話なのか、ただの用語の質問なのかが曖昧になり、話が散らかる。人間と同じで、AIも気が散るのだ。

お金の話

正直な話をすると、ゲーム開発を完全無料で行うのはなかなかハードルが高い。以下に、お金がかかりそうなポイントを説明する。

パソコンは買い替えなくていい。 最新の Windows 11 か macOS が動いていれば足りる。今回作るのは1画面の2Dゲームで、重い処理はない。

Claude Code は有料プランが前提。 月20〜25ドルほどの一番安いプランで足りる。この連載は、加入していることを前提に進める。質問AIは無料で足りる。

Godot は無料。 登録もいらない。公式サイトからダウンロードして解凍すれば動く。この連載は 4.7 系で最後まで通す(執筆時点の最新は 4.7.2)。バージョンが違うと画面や書き方が変わることがあるので、そろえておくと迷わない。

第2回の企画から Claude Code を使う。 加入はそれまでに済ませておいてほしい。

次回やること

第2回は「何を作るか、AIと決める」。ワンボタンで遊べるアクションという以外は何も決まっていない状態から、AIと相談して仕様を1枚にまとめる。実際に投げたプロンプトは全文載せる。